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大満洲帝國建國八十周年紀念読書祭り

四年に一度の閏日も過ぎ、いよいよ三月に入りました。
Manchukuos industrial production
今日、2012年3月1日は満洲国が旗揚げして80周年の節目にあたります。そこで、書店に行って徳間書店TOWNMOOK『建国80周年記念出版 満州帝国の光と闇』、そして満洲国を舞台に神々の末裔が繰り広げる近代謀略ファンタジー、東冬『嵐ノ花 叢ノ歌』第四巻を買ってきた。



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 『嵐ノ花 叢ノ歌』…古今東西の神話、オカルト、擬似科学をチャンポンにした鵺のようなストーリーを、近代史上の鵺のような国家である満洲国を舞台に走らせる発想には個人的な好みもあって物凄くアツいものを感じるのだが、如何せん物語の温度が低い気がする。連載ペースが遅いのに加えて、物語の展開スピードも遅いのが原因だろうか。盛り上がりどころはあるのだが、緩急を欠いているため、そして作者の衒学的な筆致が読者を置いてけぼりにしている感…作者の線の細い画風も作中温度に影響している気がする。ネタも小出しだし。話自体は大好物なのでさらに頑張って欲しい(というか、四巻読んでたらストーリーが面白くなるのはこれからな気がしてきた)。
 『満州帝国の光と闇』であるが、750円にしては中々中身の充実した記事であった。フルカラーで図版も多いので目でも楽しめる。記事の内容は、偏りもなく中立性を保とうとしている様子が伺える。満洲国入門用の概説にちょうど良い感じだ。安ムックらしい煽りまくりのチープな外観から予想していた以上に読み応えがある。



 いい機会なので、自分の満洲国関連の読書遍歴を書いてみようと思う。とはいえ、遍歴と呼べるほど読みあさっているわけではないのですぐに終わってしまうだろう。
 その①『満州国の首都計画―東京の現在と未来を問う』(越沢明、都市叢書)。これは、どこかで見て読みたくなったが、書店には無いしあっても高いので高校の図書館に申請して取り寄せてもらった(実はちくま学芸文庫からも出ているのだが、それには当時気づかなかった)。借りてから一年間滞納し続け、卒業後に返しに行った。申し訳なかったが、結局俺一人のために取り寄せてもらったものだし誰も迷惑していなかったので、まあ、セーフだろう。
 内容は満鉄、政府による新京(現・長春)を中心とした都市計画に絞られている。満洲の曠野に日本人の夢見た理想の都市プラン、それは維新後の近代化、植民地経営、関東大震災の復興を経てきた帝国日本の都市計画の集大成であり、また戦後の焦土からの復興を成し遂げる基礎体力にもなった。著者はこの観点から、満洲都市計画における現地風土への配慮、最先端の都市インフラ、住宅地・公園の設計思想等に触れ、最終章では日本の戦後復興に活かされた満洲を継ぐ都市設計の系譜、そして満洲で達成したが戦後日本においては予算不足等で達成できなかった故に、現代の東京が抱える交通等での諸問題について言及する。門外漢、というか高校生の自分にも分かりやすく、さらに現代の都市設計にも通じていく内容であったので、自分の興味の範疇がこの本で広げられた気がした。
 その②『虹色のトロツキー』(安彦良和、双葉社)。日本軍人とモンゴル人との間に生まれた主人公が、満洲の地で様々な史実の人物と関わりながら自らのアイデンティティーを探していく。己のアイデンティティーを探す主人公の姿は、そのまま建国したばかりの満洲国に重なる。また、物語を通じて満洲国というものが単なる「傀儡政権」ではないことも見えてくるだろう。そもそも満洲国は、東京の意向で造られたモノではないのだ。日本人による傀儡政権ではあっても、決して帝国政府の傀儡などではない。この新国家建設に対しての、男たちそれぞれの熱い思い、様々な思惑が感じ取れると思う。
 その③『写真に見る満洲鉄道』(高木 宏之、光人社)。大判写真で満州鉄道の駅、線路、橋、パシナをはじめとする機関車や、保線区、整備士などの、満鉄の特に鉄道に関する写真が集められている。大判の絵葉書等が豊富に掲載され、目で楽しむことを再優先にした構成になっているが、説明文や付録の資料も細かい。満洲、満鉄好きでなくとも鉄道好きであればかなり楽しめると思う。

※補足。『虹色のトロツキー』はコミック文庫版も出てるのでカラーページを大きく見たい、とかでなければそちらを薦める

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【誰得おまけ】
 最後に、先月読んだ本も纏めてみる。月はじめの半分が試験期間だったため、現実逃避用のSF小説が多くなっている。『流れよわが涙、と警官は言った』は本当に面白かった。SFにあまり興味がない人も楽しめると思う。きっと「SF」という言葉から想像するような内容ではなく、深く人間を描いた作品なので。

2月の読書メーター
読んだ本の数:11(+9)冊
読んだページ数:6312ページ
ナイス数:11ナイス

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)
読了日:02月27日 著者:フィリップ K.ディック
流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)
傑作。愛するものを失った者が、愛とは何か、悲しみとは何かを問う。SF要素は少ないし、殆んど重要じゃない。だからこそこれはSFに興味のない人にも是非読んでほしい。タイトルから分かる通り、この小説の主人公はジェイスンより、バックマンなのである。
読了日:02月21日 著者:フィリップ・K・ディック
ディファレンス・エンジン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)ディファレンス・エンジン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)
多少ヴィクトリア朝の歴史名辞を把握しておく必要があるなー、とか思って上巻を読んでいたら、下巻には事典が付録でついており、上下まとめて買っておいた方がいいと思った。今まで読んだ本の中でも相当難解であったと思う(多分ギブスンの文章表現)。そのため巻末解説がかなり丁寧で、本作への理解を深めるようになっている。あったかもしれない世界とテクノロジーを、絶滅した恐竜に重ね、かつそのあったかもしれない世界を発掘し考古学する。また、日本の明治維新についてもしっかりした考証の下に触れられており、ニヤニヤできる。再読したい。
読了日:02月19日 著者:ウィリアム ギブスン,ブルース スターリング
琉球王国の歴史―大貿易時代から首里城明け渡しまで琉球王国の歴史―大貿易時代から首里城明け渡しまで
再読。初めて沖縄行った時に購入したもの。酷評されているような読みにくいページ構成、日本語の破綻などはあるものの、「自分たちの歴史の面白い所を載っけてやろう!」という地元出版社のアツい勢いは感じられる。図解もギッチリ詰め込まれてるし、95頁という薄さでこの手の土産物用の歴史本とは思えない情報量である(読みづらいが笑)。買って良かった。この出版社の社長が書いているので、自費出版といったところだろうか。
読了日:02月17日 著者:
ディファレンス・エンジン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)ディファレンス・エンジン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
時代と世界観を示す分からない単語・用語が当初は多過ぎて読む速度を遅くしている。それによって前半までで退屈だと投げ出してしまう読者がいるかもしれない。ギブスンの精緻な文章は更に、こうした退屈さを助長しているだろう。しかし、マロニーが登場し謀略がその一端を現すと、頁を繰る速度が上がっていくことに気付くだろう。これは迷彩服を着たクリミア戦争時の兵士や蒸気機関“エンジン”のコンピューターが彩る、蒸気煙る空想歴史小説である以上に、壮大なサスペンス小説であったのだ。解説の伊藤計劃・円城塔も納得。というわけで、今から楽
読了日:02月15日 著者:ウィリアム ギブスン,ブルース スターリング
北一輝思想集成―国体論及び純正社会主義 日本改造法案大綱 対外論策篇ほか北一輝思想集成―国体論及び純正社会主義 日本改造法案大綱 対外論策篇ほか
いずれ再読しなければ。成程、確かに間違っているがこのフィクションを共想した人々が何に魅了されたか、その引力というか、魔力というか、そういったものの存在は感じられた。そして北の情熱というか偏執というか、そういうアツい物も。『国体論及び純正社会主義』において面白いのは、良く扱われる四章辺りまでの社会主義についての話ではなく、その後の科学技術の発展しつくした未来像とそこで起こる純正社会主義の下での競争と人類の進化の章であり、また当時にあって皇統の正統性を完全に否定したこと、尚且つその上で皇室の主権者としての地位
読了日:02月12日 著者:北 一輝
ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)
ディックらしい、「ホンモノ、現実」って何なんだろう?って不安を抱えさせるような話。超能力者とその不活性者のいる世界、そして科学の生んだ「半生命」という生と死の間の新たな段階。その曖昧なスキマで、生とは死とは、目の前の現実感への猜疑を膨らませながら、登場人物たちは世界の崩壊に翻弄なす術なく翻弄されていく。謎が謎を呼ぶ、現実崩壊系のSFの傑作。あと小道具も不気味だったり面白かったり。自家用ロケット、慇懃な安息所員、コイン式の家電やドア…古くさい未来像。しかしその寓意は今も生きている。
読了日:02月11日 著者:フィリップ・K・ディック
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
『虐殺器官』同様メッセージ性の強い、精緻な世界観。今回は語り手が感情を抑制された兵士ではなく女の子なので、文体もがらっと変わっている。何より、概説書的な『虐殺器官』と違い「小説」してた気がする。「ハーモニー」というタイトルも見事。いいディストピアでした。
読了日:02月11日 著者:伊藤 計劃
さよならペンギン (ハヤカワ文庫 JA オ 9-1) (ハヤカワ文庫JA)さよならペンギン (ハヤカワ文庫 JA オ 9-1) (ハヤカワ文庫JA)
読了日:02月08日 著者:大西 科学
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
SF小説というより、社会論の概説書、的な感じだった。意図された無機質な筆致が物事を分かり易く教えてくれるのだが、如何せんストーリーの核心にあたるところの登場人物の動機が不明瞭かつ共感しにくい。なので「小説」としてはどうだろう…面白かったけど。また、近未来としつつ戯画化された現実世界を克明に描いているのはSFの王道ともいえる骨太さであった。夭逝が悔やまれる。
読了日:02月05日 著者:伊藤 計劃
Campus WideCampus Wide
読了日:02月05日 著者:

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